屋根の勾配一覧:寸勾配・角度・パーセント換算表
屋根の勾配の表し方と測り方
屋根職人は勾配を高さと水平距離の比で表します。日本では水平 10 が基準で、「4寸勾配」は水平 10 に対して屋根が 4 上がることを意味します。水平側が 10 に固定されているので変わるのは最初の数字だけで、だから「四寸」「六寸」と呼ぶだけで通じます。
この比は、ほかの 2 つの表し方にきれいに変換できます。角度は arctan(高さ ÷ 10)、パーセント勾配は (高さ ÷ 10) × 100 です。どれもまったく同じ急さを表していて、単位が違うだけです。温度を摂氏でも華氏でも言えるのと同じことです。この 3 つが置き換え可能な理由は度・パーセント勾配・寸勾配で詳しく説明しています。

よく使う屋根勾配の一覧
最もよく出会う勾配を、上の式で求めた角度とパーセントとともにまとめました。
| 寸勾配 | 角度 | パーセント |
|---|---|---|
| 1寸 | ≈ 5.71° | 10% |
| 2寸 | ≈ 11.31° | 20% |
| 3寸 | ≈ 16.70° | 30% |
| 3.5寸 | ≈ 19.29° | 35% |
| 4寸 | ≈ 21.80° | 40% |
| 5寸 | ≈ 26.57° | 50% |
| 6寸 | ≈ 30.96° | 60% |
| 8寸 | ≈ 38.66° | 80% |
| 10寸 | 45° | 100% |
覚えておくと便利なのは最下行です。10寸勾配は高さと水平距離が等しいので、ちょうど 45°、100% になります。ここで注意したいのは、100% が垂直ではないことです。高さと水平距離が同じという意味にすぎません。本当に垂直な壁の勾配は無限大になり、これが急な面でパーセント表記が分かりにくい理由のひとつです。
緩勾配の屋根(3寸未満)
2寸未満(約 11.3°、20% 未満)は緩勾配として扱われます。こうした屋根は水はけが遅く、重ね葺きの屋根材では追いつきません。金属の立平葺きや防水シートなど、連続した防水層で覆い、排水の設計が中心的な課題になります。ここでの敵は風ではなく、滞留する水です。
2寸から 3寸は緩勾配寄りの領域です。化粧スレートや金属屋根が使える下限付近で、下葺き材の強化や納まりへの配慮が前提になります。下屋、増築部分、平屋建てによく見られ、作業中に人が普通に立てる程度の傾きです。
標準勾配と急勾配(3寸以上)
標準とされるのは、おおむね 3寸から 6寸です。角度でいえば約 17°〜31°、パーセントで 30%〜60%。日本の住宅の大半がこの範囲に入ります。4寸勾配(21.8°、40%)はちょうど中ほどで、雨と雪を十分に流し、なおかつ職人が足場なしでも作業しやすい、最もよく使われる勾配のひとつです。
6寸を超えると急勾配の領域で、10寸の 45° へ向かっていきます。急勾配は雪と水を勢いよく落とし、家に伝統的で印象的なシルエットを与え、小屋裏に使える空間を生みます。その代わり手間がかかります。おおむね 5寸を超えると屋根の上を歩くのが難しくなり、屋根足場や安全帯が必要になるため、その屋根で行うあらゆる工事の費用が上がります。

自分の家の屋根勾配を測る
表のどの行に当てはまるかを推測する必要はありません。最も直接的な方法は、水平器を垂木か屋根面に水平に当て、そこから水平方向に一定の長さを測り、その先端から真下に屋根面までの距離を測ることです。高さ ÷ 水平距離 × 10 が寸勾配になります。
登りたくない場合は、写真から読み取るか、庭から見通して測ることもできます。その方法は地上から屋根の勾配を測るで説明しています。そして寸勾配・角度・パーセントのどれか 1 つが分かれば、勾配計算が残りの 2 つに即座に換算するので、逆正接を手計算する必要はありません。どの方法で求めたとしても、上の表がその勾配の意味と用途を教えてくれます。